胃酸分泌抑制療法-その歴史的変遷と現状、今後の課題
胃酸分泌抑制薬による治療の現状 H.pylori除菌療法
古田 隆久
1
1浜松医科大学医学部附属病院臨床研究管理センター
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
胃酸
,
多剤併用療法
,
Proton Pump Inhibitors
,
除菌療法
,
個体差
,
Vonoprazan
Keyword:
Drug Therapy, Combination
,
Gastric Acid
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
,
Proton Pump Inhibitors
,
1-(5-(2-fluorophenyl)-1-(pyridin-3-ylsulfonyl)-1H-pyrrol-3-yl)-N-methylmethanamine
pp.185-190
発行日 2017年1月20日
Published Date 2017/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017115894
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Helicobacter pylori(H.pylori)の除菌療法において,胃酸分泌抑制は,抗菌薬の胃内での安定化やH.pyloriの抗菌薬への感受性を高めるなどのために必要であり,除菌の成否に関与する.胃酸分泌抑制をプロトンポンプ阻害薬(PPI)で行った場合には,CYP2C19のrapid metabolizerではPPIの効果が不十分となるため除菌率が低下しやすかった.新規胃酸分泌抑制薬でカリウム競合型アシッドブロッカーに分類されるボノプラザンは,PPIを上回る胃酸分泌抑制作用を有しており,PPIとの比較にてPPIベースのレジメンよりも除菌率が高いことが報告されてきている.とくにCAM耐性菌での成績も良好であることからAMPCとの二剤での除菌療法も期待できる可能性が示唆された.
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