今月の主題 膠原病診療の実際
膠原病理解のための臨床免疫学
補体
稲田 進一
1
1藤田学園保健衛生大学・内科
pp.1342-1344
発行日 1987年8月10日
Published Date 1987/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221032
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補体が活性化されると炎症反応が惹起される.この炎症は,外来異物に対する防御反応と理解される場合が多い.しかし,補体活性化が過剰に起きたり,あるいは外来異物よりむしろ生体自身に基因して起きた時には,生物個体にとって不利な結果をもたらす.特に免疫複合物(Immune Complex,IC)を介して病態が形成されると考えられるリウマチ性疾患において,補体の活性化は生体に悪影響を与えるとされている.しかし,近年の補体学の進歩は,補体がIC形成の抑制ないし処理などをしている可能性を示唆しており,必ずしも悪い側面ばかりではないと思われる.本稿では,補体の生化学,生物学的側面および疾患との関わり合いを述べる.
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