今月の主題 膠原病診療の実際
膠原病理解のための臨床免疫学
自己抗体—抗核抗体を中心に
秋月 正史
1
,
三森 経世
1
,
山縣 元
2
1慶応大学・内科
2国立村山病院・内科
pp.1345-1351
発行日 1987年8月10日
Published Date 1987/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221033
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臨床的に多臓器を障害する全身性炎症性疾患とされる膠原病は病因論的には自己免疫疾患に分類される.全身性エリテマトーデス(SLE)で見いだされたLE細胞の研究は抗核抗体の発見につながり,膠原病を自己免疫疾患とする基礎となった.膠原病では体内に広く存在する臓器非特異的自己構成分と反応する自己抗体の産生が特徴である.特に抗核抗体は膠原病の免疫学的研究の主要課題となってきた.そして抗核抗体には膠原病の診断,治療などに臨床的意義が見いだされた.さらに抗核抗体には組織障害への関与が認められたものがあり,病因論的にも重視される.また基礎生物学でも抗核抗体は未知の細胞構成成分の同定や機能の分析などに応用され成果をあげている.本稿ではかかる点を主眼に膠原病での自己抗体のうち抗核抗体に焦点をあて知識を整理した.
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