特集 免疫学的検査の進歩
Ⅰ.免疫不全
補体
補体
稲井 真弥
1
,
安田 玲子
2
1大阪医科大学・病態検査
2石津製薬研究所
pp.1137-1144
発行日 1979年11月1日
Published Date 1979/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915248
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補体は動物の新鮮な血清中に含まれる20種類以上の蛋白質,すなわち,①補体成分(C1からC9までの9成分のうちC1はC1q,C1r,C1sの三つのsub-componentから成るので蛋白質としては11種類である),②alternative pathwayの因子群,及び③補体系の活性化を制御し,また補体の生物活性を抑制する種々の不活化因子(inactivator)からなる.
補体はclassical pathway (CP)とalternative path-way (AP)の二つの経路によつて活性化され,種々の生物活性を表すようになる.CPは主として抗原抗体複合物によって補体が活性化されるときの経路で,各成分はC1,C4,C2,C3,C5〜C9の順序で反応する.APはザイモザン,イヌリンなどが補体を活性化する経路で,B,D,プロパージン,C3及びC3bがβ1Hグロブリン及びC3b inactivatorのコントロールを受けて活性化する物質上にC 3bBbを形成し,C3,C5更にC6〜C9までを活性化する.
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