今月の主題 糖尿病診療の現況
トピックス
インスリン・レセプター異常症と異常インスリン症
小林 正
1
1滋賀医科大学・第3内科
pp.74-76
発行日 1987年1月10日
Published Date 1987/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220770
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糖尿病は絶対的あるいは相対的インスリン作用不足による疾病であり,インスリンが分泌されていてもその作用が十分でない場合は耐糖能異常を生ずる.インスリン作用の発現には標的細胞(筋肉,脂肪,肝)のインスリンに対する反応性の異常でも惹起するが,またインスリンそのものの異常でもインスリン作用の発現が低下する.インスリン作用発現のための第一歩は,インスリン・レセプターへの結合である.したがって,標的組織のレセプターが異常であっても,インスリン側のレセプター結合部位が異常であっても,インスリン作用は低下する.このような異常をもつ患者が,稀ではあるがここ7〜8年で次々と発見され,新しい糖尿病の型としてother typesの中に含まれる.
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