今月の主題 レセプター病
技術解説
インスリンレセプター
原納 優
1
,
日高 秀樹
2
,
小林 正
2
Yutaka HARANO
1
,
Hideki HIDAKA
2
,
Masashi KOBAYASHI
2
1滋賀医科大学第3内科
2滋賀医科大学内科
pp.875-883
発行日 1982年8月15日
Published Date 1982/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911611
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1970年の前半にCuatrecasas, Roth1)らはインスリンは細胞内に入り込まないでも作用を発揮するのではないかと考え,細胞膜表面に125I-インスリンが特異的に結合するレセプター(受容体)があることを明らかにした.当初はレセプターが存在すれば作用の発現もあり,それが標的臓器であると想定されていたが,赤血球や脳などインスリン作用の明確でない臓器にもレセプターが存在し,むしろ存在しない臓器(リンパ球など)がまれであることが知られるようになった.
しかし,インスリンレセプターは臓器が異なっていてもほぼ同一の態度をとるため,逆に,血液から得やすい赤血球のレセプターを測定することにより,標的細胞レセプター異常を類推することができる.
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