今月の主題 糖尿病診療の現況
トピックス
ヒト・インスリン製剤の長短
中川 昌一
1
1北海道大学医学部・第2内科
pp.72-73
発行日 1987年1月10日
Published Date 1987/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220769
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ヒト・インスリンとは
ヒト・インスリンは本来ヒトから抽出した天然ヒト・インスリンを指すが,現在治療用として供給が始まっているのは,ヒト・インスリンとアミノ酸構成が等しいヒト型インスリン(Human sequence insulin)である.現在ヒト型インスリンを作る方法は,ヒト膵から抽出する方法の他に,化学的完全合成,ブタ・インスリンよりの転換(半合成),遺伝子工学的手法による生合成などの方法があるが,工業的に治療用として供給されている製剤は半合成(Novo社,Nordisk社,Hoechst社,日本ではNovo-小玉のみ)と生合成(EliLilly社-しおのぎ,現在はA,B鎖を生合成して化学的に結合させる方法を使用)されたもので,抽出ヒト・インスリンは原料の関係から,全合成は価格の関係から工業生産されていない.
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