今月の主題 糖尿病診療の現況
トピックス
IDDM(Ⅰ型)糖尿病の免疫療法
豊田 隆謙
1
,
佐藤 譲
1
,
新谷 茂樹
1
,
手塚 幸子
1
1東北大学医学部・第3内科
pp.78-80
発行日 1987年1月10日
Published Date 1987/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220771
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糖尿病の免疫に関するシンポジウムが,エドモントン(カナダ,1986年6月26日)で開催された.インスリン依存性(Ⅰ型)糖尿病〔insulin dependent(type 1)diabetes;IDDM〕の免疫異常について議論されたが,必ずしも成績が一致せず,矛盾が多く,混沌とした状況にある.それゆえ,IDDMの免疫療法は古くて新しい課題になっている.
IDDMの免疫異常についてはかなりのことが分かってきたが,焦点は膵β細胞障害過程にあてられている.体液性免疫に関しては,ラ島抗体(ICSA)あるいはインスリン抗体(ln Ab)の出現とIDDM発症と関係があり,細胞性免疫に関しては,膵β細胞障害性Tリンパ球とそれをregulateしているサプレッサーTおよびヘルパーTリンパ球に異常があり,自己免疫疾患(autoimmune disease)の1つと理解されている.したがって,免疫過程のどこを調節すれば膵β細胞障害性Tリンパ球を抑えることができるかを考えるべきである(図).
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