今月の主題 止血機構とその異常
治療の進歩
von Willebrand病のDDAVP療法
高橋 芳右
1
1新潟大学医学部・第1内科
pp.264-267
発行日 1986年2月10日
Published Date 1986/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220222
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DDAVPの薬理作用
DDAVP(1-deamino-8-D-arginine vasopressin,desmopressin)は天然のarginine vasopressinの誘導体で,向血管作用(昇圧作用)がほとんどない状態で,強力な抗利尿作用を有し,尿崩症の治療に広く用いられている.DDAVPは同時に生体の貯蔵部位(血管内皮細胞など)からの放出により,組織プラスミノゲン・アクチベーターとともにvon Willebrand因子抗原(vWF:Ag),リストセチン・コファクター(RCof),第VIII因子活性(F. Ⅷ:C),第Ⅷ因子抗原(F. Ⅷ:Ag)の血中濃度を上昇させるので,血友病A,von Wille-brand病(vWD),尿毒症などの止血管理にも用いられている.またDDAVP投与後には,通常血漿中に存在するvon Willebrand因子(vWF)よりも高分子のlarger multimerも出現する.
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