特集 血栓・止血の異常を理解する―広くて深い基礎知識
[Chapter 2] 血栓・止血に関連する疾患
C.出血性疾患
von Willebrand病
鈴木 伸明
1
1名古屋大学医学部附属病院 輸血部
キーワード:
von Willebrand因子(VWF)
,
von Willebrand病(VWD)
,
VWF含有濃縮製剤
Keyword:
von Willebrand因子(VWF)
,
von Willebrand病(VWD)
,
VWF含有濃縮製剤
pp.788-791
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika132_788
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▪von Willebrand因子(VWF)には,血小板膜糖蛋白(GP)Ibと結合して血小板凝集を惹起する働きと,血液凝固第Ⅷ因子(FⅧ)と結合することによりFⅧを安定化させる働きがある.
▪von Willebrand病(VWD)はVWFの量的,あるいは質的異常により,出血症状を呈する疾患である.
▪特徴的な出血症状として,幼少期の鼻出血や女性では過多月経があげられる.
▪病型は,VWFの量的減少であるType 1,機能異常であるType 2,完全欠損であるType 3に分類され,Type 2はさらに2A,2B,2M,2Nに分類される.
▪治療はVWF含有濃縮製剤による補充療法を中心に対応する.軽微な出血や再出血の抑制にはtranexamic acidの使用なども選択肢となる.
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