今月の主題 凝固線溶系の新しい検査
技術解説
von Willebrand因子の検査法
高橋 芳右
1
Hoyu TAKAHASHI
1
1新潟大学医学部第1内科学教室
pp.219-227
発行日 1986年3月15日
Published Date 1986/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912898
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von Willebrand因子(vWF)は傷害を受けた血管の内皮下組織への血小板粘着(一次止血)に重要な役割を果たす.このvWFを異種抗体を用いロケット免疫電気泳動法などにより免疫学的に測定したものをvWF抗原(vWF:Ag)と言い,リストセチン存在下で血小板凝集を惹起する生物活性として測定したものをリストセチン・コファクター(RCoF)と言う.vWFは分子量220000のサブユニットが種々の程度重合し,正常血漿中では分子量500000(または800000)〜20×106の広範囲に不連続に分布するマルチマーから成る.vWFの存在様式がその生物学的機能の発現に密接な関係を持っており,分子量の大きな高分子マルチマーがいちばん活性が高く,低分子マルチマーは活性が低い.vWFの存在様式の解析法として,交差免疫電気泳動法とSDS—アガロースゲル電気泳動後にアイソトープで標識した抗体と反応させオートラジオグラフィーを行う方法がある.
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