検査法の基礎理論
von Willebrand因子マルチマーの解析
高橋 芳右
1
1新潟大学医学部第一内科
pp.15-19
発行日 1989年1月1日
Published Date 1989/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204826
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サマリー
von Willebrand因子(vWf)は血管内皮下組織への血小板粘着に必要な高分子量糖蛋白質であり,正常血漿中では分子量500000〜約20×106の広範囲に不連続に分布するマルチマーから成る.vWfは血小板膜GPIb,GPIIb/llla,コラゲンに結合するが,その機能発現は主にマルチマー構造により規定され,高分子マルチマーがもっとも活性が高く,低分子マルチマーは活性が低い.そのためvWfの量的減少または高分子マルチマーの欠乏により一次止血障害をきたす.vWfマルチマー解析はvon Willebrand病の病型診断のみならず,後天性vWf異常の解析に重要である.一般にSDS-アガロースゲル電気泳動法に続いて酵素抗体法またはオートラジオグラフィーを施行し,解析する.
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