今月の主題 内分泌疾患の新たな展開
画像診断
下垂体腫瘍—特にクッシング病のmicroadenomaについて
桑山 明夫
1
1名古屋大学医学部・脳神経外科
pp.420-423
発行日 1985年3月10日
Published Date 1985/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219658
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下垂体腺腫には,直径1mmほどの極微なものから高度の鞍上伸展によりモンロー孔を閉塞して脳室拡大をきたすものまで,種々の大きさのものが存在する.このうち腺腫直径が10mm以内のものをmicroadenomaと称し,大多数のACTH産生腺腫と一部のGHまたはPRL産生腺腫がこれに属する.腺腫径が10mmを越えるmacro-adenoma症例では,通常の頭部単純写でもトルコ鞍の拡大や形態異常は容易に診断されることが多く,従来のCT scanなどによる腺腫の直接画像診断も容易である.これに反し,現在の高度に発達した画像診断技術を駆使しても,下垂体前葉の実質内に埋没したmicroadenomaを確実に診断することは依然として困難である.以下には,クッシング病を中心として,このmicroadenomaの画像診断の実際と可能性について述べる.
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