トピックス
Prolactin分泌性脳下垂体microadenomaの診断
田部井 徹
1
1国立病院医療センター・産婦人科
pp.255
発行日 1977年3月10日
Published Date 1977/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205588
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Prolactinのradioimmunoassayが可能になって以来,Prolactinが乳汁分泌に対して主要な役割を果たしていることが一層明らかになり,また,臨床上にも種々のProlactin分泌異常疾患が注目されるようになってきた。とくに,Prolactinの上昇により惹起される乳汁漏をきたす疾患は,無月経を伴うことが多く,乳汁分泌性無月経症候群と呼ばれている。現在でも真の病因に関しては不明な点が多いが,視床下部—下垂体系の機能障害であろうと考えられている。従って血中Prolactinの上昇を認めた場合には,脳下垂体腫瘍の有無をまず検索しなければならない。普通行なわれる頭部単純X線撮影でトルコ鞍の拡大像などの所見があれば,その診断は容易であろう。しかるに,血中Prolactinの上昇を認めるにもかかわらず,拡大像などの異常所見が認められない症例の診断は困難である。
Wiebeら1)は,年齢19〜27歳の若年婦人で続発性無月経をきたした患者の血中Prolactin濃度をradioi—mmunoassayにて測定し,異常な高値(150〜970ng/ml)を認めたにもかかわらず,普通の頭部単純X線撮影で,トルコ鞍の異常所見が認められず,血中gonadotropin (LHおよびFSHなど),TSHおよびgrowth hormone等も正常範囲内であった4症例につき,その診断を中心として報告している。
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