増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅷ 内分泌・代謝疾患治療薬
下垂体疾患
186.クッシング病の薬物治療
加藤 堅一
1
,
岡嶋 泰一郎
1
1九州大学医学部・第3内科
pp.2218-2220
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221306
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クッシング病は,下垂体からのACTH分泌過剰による慢性の副腎皮質コルチゾール過剰症であり,本症の治療の目標は,ACTH分泌増加とその結果起こるコルチゾール過剰分泌を除去することにある.
クッシング病の病因は,①下垂体原発のACTH産生腫瘍と,②視床下部中枢の異常に大別されるが,本症患者の約90%で下垂体に小腺腫(通常長径1cm以下)が見出され,さらにその小腺腫を摘出するとクッシング病が治癒することから,下垂体ACTH産生腺腫原発説が有力になってきた.しかし,クッシング病症例の約10%では腺腫が見出されず,下垂体は過形成ないし結節性過形成の所見を示す症例やHardy手術後の再発症例の存在も注目され,依然として本症の視床下部異常説を否定しえないのも現状である1).
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