発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009247965
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58歳男。42歳時に高血糖を指摘され、血糖コントロール不十分で教育入院に至った。入院時、dexamethasone(Dex)1mg抑制試験でcortisol 9.9μg/dlと抑制を認めず、下垂体MRIでトルコ鞍に9×8mmの下垂体嚢胞性病変を認めた。しかし、Dex 8mg抑制試験ではcortisol 2.8μg/dlまで抑制されており、クッシング病(CD)に特徴的な身体所見は認めず、プレクリニカル(Pre)CDが考えられた。1年後のMRIで病変は6mmに縮小していたが、その半年後には10mmと拡大しており、Dex抑制試験は前回までと同様の結果であったが、CRH負荷試験でACTHは前値15.2pg/mlから67.9pg/mlと過大反応を示した。GRH、TRH、LHRHの3者負荷試験を行ったところ、GH、LH、FSHの低反応を認めた。DHEA-S値は上昇を認めず、尿中cortisol、17-OHCS、17-KS、PRA、aldosteroneも正常で、副腎髄質ホルモン関係もすべて正常範囲であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009