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第5土曜特集 内分泌疾患の温故知新――日本内分泌学会創設100周年を目前にして
視床下部・下垂体
クッシング病
-――診断と治療の現状と今後の展望
Present condition and perspective for diagnosis and treatment of Cushing disease
大月 道夫
1
Michio OTSUKI
1
1東京女子医科大学内分泌内科学分野
キーワード:
クッシング病
,
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
,
グルココルチコイド
,
TSH ratio
Keyword:
クッシング病
,
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
,
グルココルチコイド
,
TSH ratio
pp.624-628
発行日 2024年8月31日
Published Date 2024/8/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290090624
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クッシング病は,副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)産生下垂体腫瘍が原因である.歴史的には,Cushingが第1例目の患者を1910年に診療した.グルココルチコイドはグルココルチコイド受容体を介して作用するが,この受容体は全身に分布しており,グルココルチコイド過剰状態であるクッシング病は全身に影響を及ぼす.現在のクッシング病の診断は,特異的症候,非特異的症候のなかから1つ以上の症候を認め,血中ACTHとコルチゾールがともに高値~正常を示す場合にスクリーニング検査を行い,陽性の場合,異所性ACTH症候群の鑑別を目的として確定診断検査を行う.治療は,ACTHまたはコルチゾール分泌過剰を改善するために,手術療法,薬物療法,放射線治療を行う.また新規クッシング症候群診断法であるTSH ratioは,既存クッシング症候群検査法に比べて特異度の点で優れており,うつ病患者やデキサメタゾン代謝に影響する薬剤を服用中の患者でも有用である.
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