今月の主題 気管支喘息—病態から治療まで
長期計画と管理
寛解維持療法
野口 英世
1
,
金重 博司
1
Eisei Noguchi
1
,
Hiroshi Kaneshige
1
1昭和大学藤が丘病院・呼吸器内科
pp.658-662
発行日 1984年4月10日
Published Date 1984/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218997
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喘息の寛解は,季節性喘息のシーズンオフに,または環境因子として,たとえば太平洋の高気圧や大陸の高気圧が日本本土をおおう夏,冬期に認められ,慢性通年型では環境因子により影響をうけるが,喘鳴の消失に至ることは少ない.最近,種々薬剤により寛解を得ることは比較的容易になったが,これを維持するのは困難であることが多い.
気管支喘息の薬物療法は,発作時と非発作時の2つに大別される.非発作時においては,発作の予防およびアレルゲンに対する特異的または非特異的減感作療法が行われ,発作時においては,その病態生理学的特徴である気管支平滑筋の攣縮,気管支粘膜の腫脹,粘液分泌亢進などの改善を主とした対症療法が行われる.筆者らは,初診時発作で来院した場合は対症療法を行い,発作軽快後,アレルゲン検査などを行い病型を決定するとともに,アストグラフによる気道の過敏性をみている.
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