今月の主題 気管支喘息—病態から治療まで
長期計画と管理
喘息死の予知
池森 亨介
1
Ryosuke Ikemori
1
1獨協医科大学・アレルギー内科
pp.654-656
発行日 1984年4月10日
Published Date 1984/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218996
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喘息とは
気管支喘息は気道の可逆的な狭窄による呼吸困難であり,通常の発作ではいかに苦しそうに喘いでいても,そのまますぐに死につながることは稀である.狭い気道を介して空気をできるだけ吸入しようとする努力が喘息の発作であり,生きようとする証しである.
古くは,喘息では死なないといわれてきたが,これは外因性の喘息発作についてであり,内因性の喘息をも考慮に入れると,発作にひき続いて死ぬことも知られてきた.英国において,加圧性の吸入器の売上げと一致して喘息患者の死亡数が増えたことにより,加圧性の吸入器が喘息死誘発の犯人として敬遠されたが,その後死亡の増加は吸入器の使用のためではないともいわれるようになった.
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