今月の主題 中枢神経系の感染症
スローウイルス感染症
Creutzfeldt-Jakob病
赤井 淳一郎
1
Jun-ichiro Akai
1
1国立療養所久里浜病院・神経内科
pp.270-272
発行日 1984年2月10日
Published Date 1984/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218903
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C-J病と略されるこの疾患は1920年のCreutzfeldtの1例,1921〜25年のJakobの5例に始まる.病因としてこれまで中毒,代謝,循環障害などが考えられてきたが,現在では非通常ウィスルunconventional virusによる感染として捉えられている.しかしそのagentの本態は完全に解明されておらず,未解決のものが多く残されている.
この疾病の感染実験の結果をみると,スローウイルス感染といえるものは,C-Jの病のうち,亜急性海綿状脳症の形をとるものだけで,これが予防を含めて診断的に重要である.原著の6例は単一的なものでなく,今日ではほかの疾患と思われるもの(ことにCreutzfeldtの例)もあり,亜急性海綿状脳症と推定できるものは2例にしかすぎないが1),C-J病という呼び方は普遍的に用いられているので,ここでもそれに従っておく.
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