今月の主題 中枢神経系の感染症
スローウイルス感染症
SSPE
佐藤 猛
1
,
安野 みどり
1
,
森本 啓介
1
Takeshi Sato
1
,
Midori Anno
1
,
Keisuke Morimoto
1
1順天堂大学医学部・脳神経内科
pp.266-268
発行日 1984年2月10日
Published Date 1984/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218902
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
中枢神経系におけるウイルス感染症は,発症様式から次のように分類されている.急性脳炎,遅発性ウイルス脳炎,および感染後脳炎である.遅発性ウイルス感染症は広義には通常型ウイルスによるもの,すなわち麻疹ウイルスによる亜急性硬化性全脳炎(subacute sclerosing panence-phalitis;SSPE)や,パポバウイルスによる進行性多巣性白質脳症(progressive multifocalleucoencephalopathy;PML)などを含む.狭義には通常のウイルス粒子とは物理化学的性状がまったく異なる非通常型伝播因子によるkuru,Creutzfeldt-Jakob病などが属する.
本稿では麻疹ウイルスの持続性感染症であるSSPEについて概説する.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.