認知症1,000万人時代を目前に控えて-最新の診断,マネジメント,そして分子標的治療へ 非Alzheimer型認知症の病態研究の最前線
Creutzfeldt-Jakob病
三條 伸夫
1
1東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科脳神経病態学(神経内科)
キーワード:
Creutzfeldt-Jakob病
,
Prions
,
変異
,
髄液
,
脳波記録法
,
拡散MRI
,
髄液検査
Keyword:
Cerebrospinal Fluid
,
Electroencephalography
,
Creutzfeldt-Jakob Syndrome
,
Mutation
,
Prions
,
Diffusion Magnetic Resonance Imaging
pp.263-266
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017338864
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プリオン病は異常プリオン蛋白が脳に蓄積して発症する急速進行性の致死性難病であり,異常プリオン蛋白を感染因子とする感染性疾患でもあるため,5類感染症に指定されている.プリオン病には孤発性,遺伝性,獲得性(感染性)の3種類があり,最も多いのは古典型孤発性であり,急速進行性の認知症,四肢のミオクローヌス,小脳失調,錐体路徴候,錐体外路徴候,3~6ヵ月で無動性無言にいたる経過,MRI拡散強調画像上の大脳皮質と基底核の高信号,脳波上のPSDなどを呈する.本邦では硬膜移植CJD例や比較的進行が遅い遺伝性CJDがほかの国と比較して多い.臨床症状,画像・髄液検査,遺伝子検索により的確な診断を下すことが,病態の解明,二次感染予防,心理サポート等において重要である.診療の際には,正確な知識を基に適切な感染対策を行う必要がある.
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