今月の主題 胃・十二指腸潰瘍—その基礎と臨床のすべて
胃・十二指腸潰瘍の臨床
胃潰瘍と十二指腸潰瘍の差異
大柴 三郎
1
,
白木 正裕
1
Saburo Ooshiba
1
,
Masahiro Shiraki
1
1大阪医科大学・第2内科
pp.2712-2713
発行日 1983年12月10日
Published Date 1983/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218806
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胃・十二指腸潰瘍の頻度
昭和57年度の大阪医科大学第2内科における内視鏡検査施行数1,957例についてみると,胃潰瘍331例(17%),十二指腸潰瘍222例(11%),胃十二指腸併存潰瘍47例(2%)であった.一方,昭和53年度の胃集検全国集計では3,640,123名中,胃潰瘍1.05%,十二指腸潰瘍0.56%,胃十二指腸併存潰瘍0.08%と報告されている1).
胃潰瘍/十二指腸潰瘍比は,胃集検では1.88であり,筆者らの集計では1.5といずれも胃潰瘍のほうが多い.しかし,表のように男女別および年代別にみると,男性では20歳台までは十二指腸潰瘍が多く,30歳台で両者は均衡し,40歳台から60歳台までは加齢とともに胃潰瘍が多くなっていく.女性では,20歳台からすでに胃潰瘍のほうが多いが,その比率の増加は男性に比べ緩慢である.とくに20歳台から40歳台まででは,胃潰瘍/十二指腸潰瘍比に変化はみられない.
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