今月の主題 胃・十二指腸潰瘍—その基礎と臨床のすべて
胃・十二指腸潰瘍の臨床
急性胃潰瘍と慢性胃潰瘍の関連
竹本 忠良
1
,
竹内 憲
1
Tadayoshi Takemoto
1
,
Ken Takeuchi
1
1山口大学医学部・第1内科
pp.2714-2715
発行日 1983年12月10日
Published Date 1983/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218807
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われわれが,ありふれて診る慢性胃潰瘍は,最初は,急性胃粘膜病変としてのびらんや急性胃潰瘍が進展し慢性化するのか,あるいは慢性胃潰瘍と急性胃潰瘍は発生そのものから異なるのかという難問題は,たいへん古くから議論されている.
ところが近年になって,内視鏡検査の進歩したこと,とくに緊急内視鏡検査が普及した結果,急性胃潰瘍などの急性胃粘膜病変の初期像が明らかになり,さらにその経過が詳細に追跡されだした.また,最近では急性胃潰瘍の手術は減ったが,手術標本のくわしい検討によっても,急性胃潰瘍の病理学的特徴がかなり明らかになってきた.一方,最近になって粘膜血流を中心とする粘膜防御因子の研究という視点からも,急性胃潰瘍および慢性胃潰瘍の成因や治癒経過が検討しなおされている.
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