臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
VI.肝・胆道・膵疾患
内科的治療の限界と手術のタイミング
129.膵仮性嚢胞の内科的治療と手術のタイミング
神津 忠彦
1
Tadahiko Kozu
1
1東京女子医大・消化器内科
pp.2376-2377
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218670
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症例
21歳男子.5年前腹部外傷による膵損傷で内瘻手術をうけた.以後3年間は無症状で経過したが,2年前より腹痛発作が出現するようになり,ある日激痛発作のため救急入院した.
入院時血圧150/100mmHg,体温37.4℃,脈拍84/分,上腹部に自発痛,圧痛,抵抗を認めた.血中amylase 662IU/l,尿中amylase 154IU/時で共に膵型isozymeが増加,ACCRは4.3%であった.白血球数13.600/mm3,ヘマトクリット44.2%,血清総蛋白7.1g/dl,総ビリルビン0.6mg/dl,カルシウム5.2mg/dl,尿素窒素12.6mg/dl,血糖90mg/dl,中性脂肪72mg/dlであった.腹部超音波断層で膵体尾部に沿って長径約10cmの嚢胞状病変を認め,膵仮性嚢胞と診断した.
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