臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
VI.肝・胆道・膵疾患
内科的治療の限界と手術のタイミング
128.PTCドレナージの適応と手術のタイミング
高田 忠敬
1
Tadahiro Takada
1
1帝京大学医学部・第1外科
pp.2374-2375
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218669
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症例
62歳女性.黄疸を主訴に内科入院.超音波検査にて肝内外胆管の拡張と膵頭部腫瘤と膵管拡張がみられ(図2),膵頭部癌の疑いがもたれた.血清総ビリルビン値15mg/dl,ICG57%の時点でPTCドレナージ施行.下部胆管のV字型完全閉塞を認めた(図3).その後黄疸軽減も順調であり,4週後に血清ビリルビン値1.4mg/dl,ICGR154%となり手術となった.
この経過中にERCP(図4),CT,消化管造影,血管造影などが行われ,膵頭部癌の診断が下された.なお門脈造影で上腸間膜静脈・脾静脈・門脈の合流部付近に圧排所見がみられた.
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