外科医の工夫
PTC-D法の改良—PTCから直接PTC-Dへ
平形 征
1
,
鈴木 文直
1
1埼玉県立がんセンター放射線部
pp.1586-1590
発行日 1978年11月20日
Published Date 1978/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207059
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はじめに
閉塞性黄疸はその原因となる疾患が根治手術の対象となる時は勿論のこと,たとえ姑息的な処置しか期待できなくとも,機械的黄疸と診断が確定した時点において,ただちに黄疸軽減のための処置を計らねばならないことはいうまでもない.このことから,PTCによる診断に引き続いて,経皮経肝的胆管ドレナージ(PTC-D)による黄疸軽減術を実施することができれば,検査手技を直ちに治療に結びつけ,患者の状態の改善を計りつつ,他の必要な検査を進める上に非常に有益であると考えられる1).
さて,現在一般的に行なわれているPTC-D法は,肝内胆管を穿刺し,造影剤を注入し,造影針抜去,X線撮影後,改めて比較的太い穿刺針で胆管を再穿刺し,ドレナージチューブを留置するという手順であるが2),X線透視下とはいえ,半ば盲目的に比較的太い穿刺針を用いるのは,確実性に問題のあることは,従来の方法でPTC-Dを施行した経験があれば理解されると思う.目標とする胆管を確実に穿刺するための工夫3)もなされいるようであるが,術者の被曝が避けられない点であまり望ましい方法とはいえない.
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