臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
V.消化管・腹膜疾患
特殊な治療法
110.ポリペクトミーの適応と手術を要する場合
上谷 潤二郎
1
,
武藤 徹一郎
2
Junjiro Kamiya
1
,
Tetsuichiro Muto
2
1東京大学医学部・第1外科
2東京大学医学部
pp.2326-2328
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218651
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症例
〈症例1〉肛門縁より約7cmの大きさ2cmの亜有茎性ポリープを経肛門的に摘除.粘膜下層に浸潤が認められ,粘膜下層のリンパ管に癌の浸潤を認めた(図2a).低位前方切除術施行したところ,摘除部位,リンパ節に癌の遺残,転移は認められなかったが,摘除部位の近傍の正常粘膜に覆われた粘膜下層に小さな癌の転移巣が認められた(図2b).
〈症例2〉上部直腸の大きさ1cmの無茎性ポリープを内視鏡的に摘除.粘膜下層に浸潤が認められ(図3),断端近傍に癌が存在するので低位前方切除術施行.摘除部位,リンパ節に癌の遺残は認められなかった.
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