今月の主題 腸疾患の臨床
大腸隆起性病変
内視鏡的ポリペクトミーの適応
丸山 雅一
1
1癌研究会付属病院内科
pp.1200-1202
発行日 1979年8月10日
Published Date 1979/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216009
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
大腸のポリープ(腺腫)を経内視鏡的に摘除しようとする試みは,1969年から1970年にかけて工夫された方法である.はじめの頃は,生検鉗子でポリープの基部を何回も噛り取る方法や,ピアノ線でループを作ってポリープの基部を絞扼し,ひきちぎる方法が行われていた.しかし現在は,米国でShinya(新谷)らが考案した方法,すなわちワイヤーループ(ポリペクトミー用スネアー)でポリープの基部を絞扼し,高周波電流で焼き切る方法が普及している.
胃のポリープと異なり,大腸のポリープ(腺腫)は,その大部分が癌化することが知られている.したがって大腸のポリペクトミーは単に鉗子生検の延長として,組織学的診断のための情報量が多いという利点にとどまらず,前癌状態としてのポリープ(腺腫)を積極的に除去するという治療的手最としての意義がある.また,それだけに,実際どのようなポリープがポリペクトミーの適応であるかを決定することは,ポリープの治療法の選択という意味において,臨床的にきわめて重要な問題である.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.