今月の主題 不整脈診療の実際
不整脈治療の実際
治療を要する不整脈と要しない不整脈
吉本 信雄
1
1埼玉医科大学総合医療センター・第3内科
pp.44-47
発行日 1986年1月10日
Published Date 1986/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220172
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不整脈には,心室粗細動や,1分間20心拍以下でAdams-Stokes発作を伴う徐拍性不整脈など,電気的除細動やペースメーカー植え込みが即刻必要な重症のものから,期外収縮が散見される程度のものまでいろいろある.同じ心室性期外収縮にしても,たとえば急性心筋梗塞後のものに対しては十分の注意を払い,より重篤な不整脈へ移行する可能性のあるときはすぐ治療を開始する必要があるのに対し,器質的心疾患を有しない健常者においては,治療を急ぎ,いたずらに患者の不安感を増大させないよう注意する.治療を行うにあたって考慮すべきこととしては,①不整脈の原因となる基礎疾患,合併症の有無,②Adams-Stokes発作,心室粗細動,頻拍発作などの既往の有無,③不整脈そのものの重症度,心血行動態におよぼす影響,④自覚症状,などがある.
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