今月の主題 癌治療の最前線
集学的治療
消化器癌
岡崎 伸生
1
Nobuo Okazaki
1
1国立がんセンター病院・内科
pp.1048-1049
発行日 1982年6月10日
Published Date 1982/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217800
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最近では癌の治療においても,外科的療法ばかりではなく放射線療法,抗癌剤および免疫療法など,いくつかの治療手段がそれぞれ確立されつつある.癌の集学的治療の基本思想は,治療の必要な患者に対して,その病期やhost factorを考慮した上で最も適切な治療手段を選択することにある.病状によってはいくつかの治療手段が同時に採用される.また異なった治療手段を用い連続的に治療されることもある.
消化器癌においても集学的治療の概念はすでに日常の診療体系にとり入れられている.しかし,その病理組織像の大部分を占める腺癌や肝細胞癌は放射線療法や抗癌剤療法に抵抗性であるため,集学的治療の効果が十分発揮できる症例は必ずしも多くはない.本論文では,将来が期待されながらも現在なお方法論の確立されていない消化器癌の集学的治療の現状について述べたい.
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