今月の主題 肝硬変と肝癌
肝癌の治療
肝細胞癌に対する治療法の選択
岡崎 伸生
1
,
吉野 正曠
1
,
吉田 孝宣
1
1国立がんセンター病院・内科
pp.1606-1607
発行日 1987年9月10日
Published Date 1987/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221097
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近年における肝細胞癌の診断と治療法の変貌は著しい.慢性肝炎や肝硬変症患者を超音波検査やCTを組み合わせて注意深く経過観察することにより,2cm以下の肝細胞癌も容易に診断することができるようになった.治療の面では,肝切除術,TAE療法,エタノール局所注入療法や放射線療法など,治療効果の明確な方法の改良や開発があった.
しかし,肝細胞癌は肝硬変症の終末段階での合併症である場合も少なくないので,肝細胞癌の治療計画は,肝細胞癌の進行程度ばかりではなく,合併している肝硬変症の病態も評価した上で決めなければならない.
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