今月の主題 消化器診療のcontroversy
その他
各種腫瘍マーカーによる消化器癌の早期診断は可能か?
大倉 久直
1
,
斎藤 大三
1
,
岡崎 伸生
1
,
田尻 久雄
1
,
尾崎 秀雄
2
,
菅野 幸吉
3
1国立がんセンター病院・内科/臨床検査部
2国立がんセンター病院・外科
3慶応大学医学部・一般外科
pp.284-288
発行日 1990年2月10日
Published Date 1990/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909496
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腫瘍マーカーの研究は,1964年にカナダのGoldとFreedmannによる癌胎児性蛋白抗原(carcinoembryonic antigen, CEA)の発見と,ソ連のAvelevとTatarinovによるアルファ1胎児蛋白(alpha 1-fetoprotein, AFP)の報告によって大きく発展した.
当時から腫瘍マーカーへの臨床家の期待は癌の早期診断と正確な癌細胞のモニターにあったが,われわれが手にしたマーカーのほとんどは正常細胞や一部の良性細胞,胎児の細胞でも作られるものであった.そのため,血清中の腫瘍マーカー値は正常人でもゼロではない.この平常値は各個人によって違っているが,1人1人についてはいつも一定の範囲にある.
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