今月の主題 肺癌—最近の知識
肺癌の病型と特徴
肺胞上皮癌
富田 正雄
1
Masao TOMITA
1
1宮崎医科大学・第2外科
pp.422-425
発行日 1981年3月10日
Published Date 1981/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217072
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名称
いわゆる肺胞上皮癌については,1876年Malassezが剖検例で肺における多発性結節性のencephaloid carcinomaとして第1例を報告して以来,Musserが1903年に全肺野におよぶびまん性の肺悪性腺腫症として報告した.その後1953年Storeyにより157例,1955年Deckerにより155例,1966年Watsonにより265例が報告されている.
名称についてもPrimäres Gallertcarcinoma derlung, Diffuse primares alveolar epithel carcinoma,pulmonary alveolar adenomatosis, Epithelization ofalveolar walls, Bilateral miliary carcinoma, Diffusebronchiolar carcinoma, terminal bronchiolarcarcinomaなどがあるが,1960年Liebowがbronchioalveolar carcinomaと命名して以来この名称が広く用いられるようになった.細気管支癌,細気管支肺胞上皮癌,肺胞細胞型腺癌などは同一疾患をさす.WHO分類や日本肺癌学会分類でも腺癌の一つとしている.
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