今月の主題 肺癌—最近の知識
肺癌の合併症
肺癌の異所性ホルモン産生
阿部 薫
1
Kaoru ABE
1
1国立がんセンター研究所・内分泌部
pp.426-427
発行日 1981年3月10日
Published Date 1981/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217073
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異所性ホルモン産生腫瘍として,異所性ACTH産生肺癌が世界ではじめて報告されたのは1961年である1).以来多くの症例が報告され,ACTH以外に腫瘍では各種のポリペプチドホルモンが産生されること,そしてこのようなホルモンを産生する腫瘍は肺癌に最も多いことが明らかにされている1).ここでは,肺癌における異所性ホルモン産生の頻度,その主な病態である各種の電解質異常,そして現在注目されている,臨床的にはホルモン過剰の症状,所見を示さない,無症候性異所性ホルモン産生腫瘍について述べてみたい.
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