今月の主題 肺癌—最近の知識
肺癌の病型と特徴
小細胞癌
渡辺 昌平
1
,
長尾 啓一
1
Shohei WATANABE
1
,
Keiichi NAGAO
1
1千葉大学医学部肺癌研究施設・内科
pp.420-421
発行日 1981年3月10日
Published Date 1981/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217071
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小細胞癌は全肺癌の10%を占めるが,最も予後が悪く,吉村らによる全国集計でその5年生存率は2%とされている1).実際の臨床の場では患者が症状を訴えて来診した時点ではすでに遠隔転移をきたしていることが多い.その進展の早さから外科的根治療法の望みは少なく,内科的治療が主役をなしている.また,小細胞癌の中でも,病態,予後に差異があり,病理組織学的再検討が行われた結果,日本肺癌学会組織分類では,燕麦細胞型(oat cell type)と中間細胞型(intermediatecell type)の2つの組織亜型に細分された2).本稿ではその特徴と問題点につき述べる.
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