Japanese
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特集 呼吸器疾患診断の新情報源
肺胞上皮細胞の正常と異常
Alveolar epithelial cells in health and disease
川並 汪一
1
Oichi Kawanami
1
1日本医科大学第1病理学教室
11st Dept. of Pathology, Nippon Medical School
pp.483-492
発行日 1983年5月15日
Published Date 1983/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204222
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肺胞は肺実質におけるガス交換のための最小機能単位である。肺胞構造の破壊は従って肺機能の崩壊を意味することになる。傷害が加えられると同構造は,内皮細胞や間質における一連の修復反応とともに,肺胞上皮細胞が急速に再生能力を獲得する。この任にあずかる細胞はもっぱらII型肺胞上波1,2)であるとされてきた。しかしながらこのII型上皮と形態的類似性を共有しながら,その由来を気道系に求めるべき一群の立方上皮細胞が存在する事実3)が明らかになってきた。
両者の形態学上の相違は,それぞれの上皮と直下に連続する間質との接触面に象徴的に認めらねる。それぞれの形態的特異性は,所属する細胞系の機能と密接に関連している。即ち上皮細胞がその特異的機能を発揮するうえで,間葉系の介在がこれまで考えらねていた以上に重要な役割を果していることを示唆していよう。
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