臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
III.消化管疾患
(大)腸結核症 VS (大)腸癌
村上 義次
1
Yoshitsugu MURAKAMI
1
1東京都立豊島病院・内科
pp.1912-1913
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216811
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なぜ鑑別が問題となるか
近年,大腸結核症は激減し,臨床家はややもすれば本症の存在を忘れがちである.注意深く大腸X線像および内視鏡像を観察すれば,大腸結核症と大腸癌の鑑別は容易であるが,大腸結核症に対する知見が乏しいと,結核性病変を癌として手術してしまう可能性がある.腸結核症の85%が回盲部にみられるのであるから,両疾患の鑑別が問題になるのは病変が右側結腸に存在する場合であって,他の部位ではあまり問題にはならない.また,結核病変が治癒期の場合は,鑑別は一層容易となる.
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