臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
II.呼吸器疾患
粟粒結核 VS 転移性肺腫瘍
吉田 稔
1
,
沓掛 洋
1
Minoru YOSHIDA
1
,
Hiroshi KUTSUKAKE
1
1福岡大学医学部・内科
pp.1878-1879
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216795
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なぜ鑑別が問題となるか
粟粒結核症と粟粒型の転移を示す転移性肺腫瘍は,いずれも胸部X線上びまん性の粟粒陰影を呈するので,鑑別上,常に問題となる.この両者の鑑別がとくに重要である根拠として,それが予後に大いに影響するからである.たとえば転移性肺腫瘍ではいうまでもなく悪性腫瘍として予後がきわめて不良であるのに対し,感染症としての粟粒結核は,抗結核薬に比較的良好に反応するため早期の発見,確診と早期治療により,ほとんど完全に治癒させることが可能である.
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