臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
II.呼吸器疾患
肺癌 VS 結核腫
田村 昌士
1
,
小室 淳
2
Masao TAMURA
1
,
Atsushi KOMURO
2
1岩手医科大学・第3内科
2岩手医科大学・内科
pp.1862-1863
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216787
- 有料閲覧
- 文献概要
なぜ鑑別が問題となるか
肺野型の肺癌と結核腫は無症状で発見されることが比較的多く,胸部X線所見ではいわゆるcoinlesionとして認められ,さらに喀痰検査では癌細胞あるいは結核菌の陽性所見を得ることが少ないなどの点で両者の早期鑑別診断は必ずしも容易ではない,しかし,鑑別できないまま経過観察すること,あるいは抗結核剤を投与しながら経過をみることは重大な過失を犯すことになりかねない.したがって,少しでも肺癌が疑われるときには積極的に検査をすすめ診断しなければならない.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.