臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
III.消化管疾患
非特異性直腸炎 VS 痔核
岡田 光生
1
,
隅越 幸男
1
Mitsuo OKADA
1
,
Yukio SUMIKOSHI
1
1社会保険中央総合病院・大腸肛門病センター
pp.1914-1915
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216812
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なぜ鑑別が問題となるか
非特異性直腸炎とは,直腸に限局した潰瘍性大腸炎の一病型として一般に認められている、すなわち,その病変部より口側には正常な直腸S状結腸が存在するものをいう.一方,痔核は門脈系,大循環系の同時的な静脈還流障害に基づく静脈瘤様変化が肛門静脈叢に生じたものである.これを外痔核(肛門縁に生ずるもの)と内痔核(歯状線より口側に生ずるもの)に分けるが,今回問題になるのは内痔核である.頻度からいえば痔核は直腸炎よりも圧倒的に多いが,その共通な症状として「出血」があり,その鑑別が問題となる.
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