臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
I.循環器疾患
ウイルス性心膜炎 VS 結核性心膜炎
松森 昭
1
,
河合 忠一
2
Akira MATSUMORI
1
,
Chuichi KAWAI
2
1京都大学医学部・第3内科
2京都大学医学部・内科
pp.1836-1837
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216777
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なぜ鑑別が問題となるか
心膜炎は,ウイルス,細菌などの感染症,膠原病,悪性腫瘍,尿毒症など全身疾患に伴い,また心筋梗塞後,外傷・放射線療法後にも起こる1)が,原因不明のいわゆる特発性心膜炎(idiopathicpericarditis)の頻度が最も高い.特発性心膜炎といわれてきたものの多くがウイルス性であると示唆されるようになったが,発症が緩徐であることが多いために診断の困難なことの多い結核性心膜炎もこの中に含まれる可能性がある,結核性心膜炎は心タンポナーデを伴うことが多く,また高率に収縮性心膜炎に移行するなど予後不良のため早期診断,早期治療が重要であり,その鑑別診断が大切である.
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