特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
I.循環器系
11.見逃がされやすい心筋疾患
心膜炎
高崎 浩
1
1三重県立大内科
pp.916-919
発行日 1972年7月5日
Published Date 1972/7/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204152
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徴候の分析が診断のきっかけ
心膜炎はいろいろの型で起こり,そして臨床上いくつかの特有な徴候を呈する疾患である.したがって,前胸部痛とか,呼吸困難とか,上腹部の不快感とかを訴えて外来を訪れた患者で,心臓が左右に拡大していたり,心臓部が膨隆していたり,心音が微弱でかつ異常の摩擦音が聴かれたりするような場合には,一応心膜炎を疑って病歴の追求,血圧の測定,胸部レ線の撮影,心音・心電図の描写,さらには心膜穿刺などとつぎつぎに実施して,診断への裏づけを積みかさねていくべきである.
かくして患者に見いだされた種々の所見について,その所見がいかにして発生してきたかをも合わせ考察していくならば,診断はおのずから解明されるであろう.
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