診断のポイント
心膜炎
高崎 浩
1
1三重県立大内科
pp.1011-1013
発行日 1964年10月10日
Published Date 1964/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200504
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兆候の分析は診断へのポイント
心膜炎はいろいろの型で起こり,そして臨床日いくつかの特有な兆候を呈する疾患である。したがつて,前胸部痛とか,呼吸困難とか,上腹部の不快感とかを訴えて外来を訪れた患者で,心臓が左右に拡大していたり,心臓部が膨隆していたり,心音が微弱でかつ異常の摩擦音が聴かれたりするような場合には,一応心膜炎を疑つて病歴の追求,血圧の測定,胸部レ線の撮影,心音・心電図の描写,さらには心膜穿刺などとつぎつぎに実施して,診断への裏づけを積みかさねていくべきである。
かくして患者に見いだされた種々の所見について,その所見がいかにして発生してきたかをも合わせ考察していくならば,診断は自から解明されるであろう。
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