今月の主題 心膜疾患の臨床
二次性心膜疾患
結核性心膜炎
青柳 昭雄
1
Teruo AOYAGI
1
1国立療養所晴嵐荘病院
pp.52-53
発行日 1980年1月10日
Published Date 1980/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216366
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はじめに
結核症の減少に伴い肺外結核の症例も減少しているが,肺外結核の全結核のなかで占める割合は常に10%前後で,最近はほとんど不変である.わが国では肺外結核のなかでリンパ節結核が圧倒的に多く41%で,次いで尿路,脊椎,骨・関節,髄膜の順になるが,その他の肺外結核が22.2%を占めている.結核性心膜炎はこのその他のなかに含まれており,正確な数は不明であるが,その数は極めて少数であるとされている.
その頻変は低率であるが,本症は粟粒結核と同じく典型的な像を示さない際には診断困難な疾患の一つであり,かつ早期に診断して早期に治療を行えば痕跡なく治癒せしめ得るものであるから,本症を十分に理解しておくことが必要である.
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