画像診断 心臓のCT・7
心膜炎
太田 怜
1
,
林 建男
2
Satoshi Ohta
1
,
Tatsuo Hayashi
2
1三宿病院・循環器科
2自衛隊中央病院・放射線科
pp.1262-1265
発行日 1982年7月10日
Published Date 1982/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217851
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通常の心X線像では,心陰影の拡大があっても,それだけで心臓そのものが大きくなったものか,心膜液貯留によるものかを決めるのは困難である.しかし,CT像によれば,心臓そのものと貯留液との間では,CT値に著しい相違があるので,上の両者はきわめて容易に識別される.
また,ごくわずかの心膜液貯留は,通常の心X線像ではわかりにくい最近では,心エコー図が,これを検出するのによいとされている.しかし,その手がかりとされているecho free spaceは,心外膜下の脂肪層による場合もあるとのことである.すなわち,心エコー法では,心膜液と脂肪層を区別することはできない.ところが,CT法では,脂肪はそのCT値が-30以下であるのに対して,心膜液は0からプラスのほうに分布しているので,CT像では心膜貯留液と脂肪の弁別が可能である.
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