目でみる症例―検査結果から病態診断へ・20
幅広いQRS頻拍症を呈した結核性心膜炎
中山 敏夫
1
Toshio NAKAYAMA
1
1自治医科大学循環器内科
pp.953-956
発行日 1994年8月15日
Published Date 1994/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902071
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
●心電図の判定●
心電図(図1)は,精査目的で紹介されてきた患者の近医によるもので,心拍数144/分の幅広いQRSを呈し,初期には,心室頻拍または潜在性WPW症候群に伴うものと診断されたが,抗不整脈薬のジソピラミド20mg静注後に心拍数がほんの少し減少した後(心拍数140/分),図2に示すように,突然にF波を伴う幅の狭いQRS頻拍となり,一過性脚ブロックを伴う心房粗動と診断しえた症例である.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.