臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
IX.免疫・アレルギー疾患
2.アレルギー疾患の全身療法
抗ヒスタミン剤の適応と与え方
水島 裕
1
1聖マリアンナ医大第1内科
pp.2172-2173
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208296
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薬理作用と適応症
抗ヒスタミン剤の薬理作用の中心はヒスタミン拮抗作用であるが,類似のchemical mediator,たとえばアセチルコリン,セロトニン,アドレナリンやブラディキニンなどに拮抗するものもある.その他の重要な薬理作用としては,中枢抑制作用,鎮吐作用,止痒作用,腺分泌抑制作用(アトロピン類似作用),局所麻酔作用などがある.これらの薬理作用のため,抗ヒスタミン剤はアレルギー性疾患以外の種々の疾患にも広く応用されている.
適応性としては,多くのタイプの蕁麻疹,アトピー性皮膚炎,接触性皮膚炎などの皮膚疾患がまずあげられる.これらの疾患に対しては,抗ヒスタミン剤のヒスタミン拮抗作用とともに,その止痒作用が役に立つ.アレルギー性鼻炎に対しても有効であるが,気管支喘息に対しては,小児を除き概して有効ではなく,痰を粘稠にし,喀出を困難にするので,むしろ症状を悪化させる.
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