臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
IX.免疫・アレルギー疾患
2.アレルギー疾患の全身療法
心身医学的治療
吾郷 晋浩
1
1九大心療内科
pp.2174-2176
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208297
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心身医学的な考え方
いわゆるアレルギー性疾患(表1)に対する心身医学的な考え方は,それを遺伝的・先天的な素質と後天的な諸因子とによって,"いわゆる発症準備状態(感作された状態を含む)"ができ,そのような状態ができあがったときに,さらに誘因(抗原を含む)が加わって発症してくるものと考える.そして,そのような"準備状態"の成立に,心理・社会的な因子によってひき起こされる身体的な変化の影響を無視できないものと考える(図1,2).
したがって,心身医学的な治療における心理的治療のねらいも,ただ単に誘因としての心理・社会的な因子を処理するだけでなく,それで直ちに身体症状は起こらないが,"準備状態"を成立させる因子として働いている心理・社会的な因子をも処理しようとするとてうにある.すなわち,次の臨床症状の出現を予防しようとするところにあるということができる.
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