Japanese
English
薬剤
接触皮膚炎に対する抗ヒスタミン剤の効果
A CLINICAL EVALUATION OF ANTIHISTAMINIC DRUG ON CONTACT DERMATITIS IN THE METHOD OF DOUBLE BLIND CONTROLLED TRIAL
谷奥 喜平
1
,
矢村 卓三
2
,
武田 克之
3
,
島雄 周平
4
,
永井 隆吉
5
,
須貝 哲郎
6
,
籏野 倫
7
Kihei TANIOKU
1
,
Takuso YAMURA
2
,
Kazuyuki TAKEDA
3
,
Shuhei SHIMAO
4
,
Ryukichi NAGAI
5
,
Tetsuro SUGAI
6
,
Hitoshi HATANO
7
1岡山大学医学部皮膚科
2広島大学医学部皮膚科
3徳島大学医学部皮膚科
4鳥取大学医学部皮膚科
5横浜市立大学医学部皮膚科
6大阪回生病院皮膚科
7慶応義塾大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology, Okayama University School of Medicine
2Department of Dermatology, Hiroshima University school of Medicine
3Department of Dermatogy, Tokushima University School of Medicine
4Department of Dermatology, Tottori University School of Medicine
5Department of Dermatology, Yokohama City Univernity School of Medicine
6Department of Dermatology, Osaka Kaisei Hospital
7Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.827-830
発行日 1976年10月1日
Published Date 1976/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201649
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湿疹・皮膚炎の治療は外用療法を主とする他,全身的に抗ヒスタミン剤を投与することが多くの皮膚科医の考え方であるが,この抗ヒスタミン剤の投与の意義については必らずしも十分に明らかにされていない.抗ヒスタミン剤が蕁麻疹に有効であることはいうまでもない1)が湿疹・皮膚炎の発症にヒスタミンが関与するという積極的な証明は残念ながら寡聞にしてしらない.したがつて湿疹・皮膚炎の治療に抗ヒスタミン剤の投与が稀ならず行われているとはいえ,古くから抗ヒスタミン剤の有する局所麻痺作用と中枢抑制作用の他,炎症に伴なう血管透過性亢進抑制作用が期待されて止痒の意味で用いられているにすぎないようである.ましてや抗ヒスタミン剤が湿疹・皮膚炎に真に有効であるか否かを多数例を対象にした二重盲検試験の成績から検討した報告はないのが現況である.ここに私共が接触皮膚炎に対して抗ヒスタミン剤の効果を二重盲検試験により検討することを試みた所以がある.
試験目的 抗ヒスタミン剤HS592の湿疹・皮膚炎の瘙痒に対する有効性と安全性を不活性プラセボを対照薬として二重盲検法により比較検討する.
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